アメリカ映画
「リトル・ダンサー」のスティーブン・ダルドリー監督が、前作では、少年の気持ちを丹念に描き、この作品では、3つの時代の女性の生きた方を丹念に描いています。アメリカで、制作した作品ですが、前作同様、丁寧に作られています。
2枚組
本編115分、監督&原作者によるコメンタリー、フィリップ・グラスの音楽、予告編などが収録されています。ケースは、トールタイプ(最近は、CDタイプのケースはないですね)です。
すべてにおいて
3つの時代を別々に生きた女性を見事なカット割りで一つの物語に紡いでいきます。映画ならではという表現で最初から最後まで見せてくれる。ニコール・キッドマンの演技に観客は約90年前の世界に手を引かれて入っていきます。この少し精神的に病んでいる主人公を見事に演じています。ニコール・キッドマンという女優の経歴を見て、彼女がキューブリックの「アイズ・ワイド・シャット」出演後がすべてにおいて変わっていることがわかります。改めてキューブリック監督のすごさを感じてしまいます。「ビューティフル・マインド」「トゥルーマン・ショー」等に出演しているエド・ハリスのエイズを発病した詩人も、病で体も冒され、薬の副作用で幻聴や幻覚が起きる迫真の演技も見どころです。
この映画は、3つの時代を行き来しながら物語が進んでいくのですが、観客は時代の切り替わりを自然に受け止め、戸惑うことなく3つの時代を理解出来ます。
「コヤニスカッティ」の音楽を担当したフリップ・グラスの音楽がこの映画に更なる興奮と厚みを与えています。いい映画というのは、すべての要素のバランスが見事にとれているものだということを実感させられます。
評価
この映画は、すべての方に見ていただきたい映画です。ランクA+です。見終わった後に、いろいろな人と話がしたくなる映画です。
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