田中麗奈って
最近の日本映画って、いいものがありますね。この映画も全然期待せずに購入をしました。どうも田中麗奈という女優がCMでしかしらず、生意気に感じていました。この映画を見たらそのイメージが根底から覆されます。とても素直で伸び伸び演技しているように感じます。この映画のこの少女の役は彼女しか出来ないと感じました。
1枚組に、メイキング
本編115分、メイキングは、日記形式で撮影日時ごとにわけられて、収録されています。各日をクリックするとスタッフのコメントがあり、その後にメイキングが始まるようになっています。また、映画祭の映像や、篠原監督、田中麗奈からのメッセージも収録されています。パッケージは、トールタイプです。
「初恋」ではなく「はつ恋」
タイトルを見ると、田中麗奈の初恋をメインに持ってくるのかと思い、ただの恋愛映画かと思うのですが、開けてびっくり玉手箱です。初恋を果たせなかった母親のために、初恋の相手を娘が探すというものです。これが、切なく最後には、涙が出てきて、家族っていいなぁ~と感じます。この映画を見た後、母親に会いたくなりました。人間が生きていくには、一人では生きていけないとつくづく思いました。
撮影方法は、カメラを動かさずじっくり撮り、演技や背景をじっくり見せてくれます。よって、カットは、眺めなのですが、シーン展開は、テンポよく切り替わっていきます。映画全体を通して、とても安心して見ていられます。
撮影や照明などもいろいろあるのですが、この映画は、何と言っても田中麗奈の演技につきます。映画3本目とは思えない、田中麗奈という女優のすごさを見せつけられます。演技というか普通なのです。映画の中で普通と言うのがとても異常な事です。演技をして普通な事をするという事は、とても大変です。そんな演技を彼女は、いともたやすくやり抜けているように感じます。
田中麗奈以外の俳優はベテランで固められているのですが、誰の演技も浮くこともなく、最初から最後まで気持ち良く見ることが出来ます。運動音痴の真田広之も見物です。
一つ残念なのは、音楽を久石譲が担当しているのですが、映画全体にテーマの音楽が流れるのですが、ちょっと使い方がしつこいので、耳に付きすぎて飽きちゃいます。
偶然とはいえ、こんな映画に出会えた事はラッキーでした。
評価
日本映画は、黒澤の時代で終わりと思っている人たちに、ぜひ見てもらいたい映画です。 ランクBです。
|